広島

【広島・雑貨屋】呉市/住宅街にある隠れ家的な雑貨屋さん~Sakkaya LIFE~

1.香川ももこさん(Sakkaya LIFE店主)

キュレーター(curator)という言葉がある。日本では博物館や美術館などで研究調査や収納物の管理保存に従事する学芸員を指すが、欧米では違うらしい。

平成25年の社会動態によると、呉市の転出者数1,373人(人口減少率0.58%)は全国でワースト3位、中四国地方では1位となっている。
また、65歳以上の高齢者数は74,298人で高齢化率が31.0%(平成25年3月末)に達し、全国平均22.7%を大きく上回っている。
確かに街は閑古鳥が鳴き、猫は道の真ん中で寝そべっている。

広島呉雑貨屋

そんな街の路地裏で、今年の4月に興味深い雑貨屋が開店した。

「場所が分かりにくいとお客様によく言われます。立地は悪いですが、隠れ家的なお店だと思っていただければ」

広島呉雑貨屋

店名はSakkaya LIFE、店主は香川ももこさん。東京からUターンした、生まれも育ちも呉市の20代の女性である。

広島呉雑貨屋

「雑貨って、無くてもいいものなんですよね。人は衣・食・住さえあれば生きて行けますから。でも、ある事によって生活が豊かになる瞬間があるんです」

高校時代にニュージーランドへ留学した経験を持つ香川さん。旅行を含めると様々な外国を訪れたという。

「海外では意外に雑貨屋さんが少なかったんですが、蚤の市が楽しかったです。特にパリ。気になったものはこうしてお店に出しています」

広島呉雑貨屋

また異国で身につけた英語力が、お店を経営しているうえで役に立っているようだ。

広島呉雑貨屋

「韓国や台湾の作家さんの作品も置いてありますが、やりとりは英語です。英会話はある程度慣れていましたが、英文のメールは難しいですね」

広島呉雑貨屋

香川さんは、「呉という街が嫌いだったから」高校途中で地元を飛び出し、海外や東京で生活をしていたという。では何故こうして地元に戻り、人目につかない裏通りに店を出したのか…?

「ここは元々は祖母が暮らしていた家だったんです。呉に戻ったのは介護のためです。祖母は帰りませんでしたが、私は子供の時からの夢に帰る事にしました」

つまりこのお店は、おばあちゃんの生まれかわりとも言える。

改装であり回想

「雑貨は子供の時から大好きでした。どうして好きなのかな…なくてもいいものなんですけどね」

子どものようにキラキラした大きな瞳で語る香川さん。

言葉で説明するのはあまり上手ではないようだが…

広島呉雑貨屋

「例えば先日いらしたお客様が、ここで購入したポストカードをいつも手帳に入れていて、気が沈んだ時に手にとって見るようにしているそうなんです。そうすればテンションが上がるからって」

ちなみにそのポストカードは108円のものだとか

「それが雑貨の魅力です」

商品の仕入れは、雑貨のイベントがあるたびに全国各地へ出かけ、自分の目で見て手で触り決めるのだと言う。

広島呉雑貨屋

「イベントへ出かけ、作家さんたちに声を掛け知り合い、繋がる。楽しいですね。最近はチェーンの雑貨屋さんも多くなり、“どこにでもある物”が増えた気がしますが、Sakkaya LIFEでは“ここにしかない物”をキュレーションしたいですね」

香川さん自身が雑貨を作る事はない。

「私は作家さんのように“手”を動かす事は出来ませんが、作家さんに代わって“足”を動かします。クリエイターじゃなくてキュレーターですね。そうしてwin-winではなくwin-win-winな関係になれればいいと思っています」

「素敵な“作家”様の作品を“生活”に取り入れてほしい」という思いを込めてZakkayaではなくSakkaya LIFE、と名付けた店名。

呉市では人口減少抑制の取り組みのひとつとして、基幹産業である「ものづくり産業」の発展支援による雇用の場の創出を掲げているというが、実際のところ市民がそうした取り組みの恩恵を受ける事はない。

広島呉雑貨屋

時代の波に押されつつある街にオープンした、時代に逆行するスタイルのお店。

いずれにせよ呉から見える海と空、そしてSakkaya LIFEの看板は、今日も青く澄み渡っている。

Sakkaya LIFEブログ
Sakkaya LIFE facebook

(写真・文:山口みそひと)

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