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【若手仕事図鑑】トライ&エラーで製品も人生もデザインする~プロダクトデザイナー・久保倫太郎さんインタビュー~

ものづくりに関わる若い人の仕事観や生き方に迫る特集「若手仕事図鑑」。
今回は株式会社GKデザイン総研広島でプロダクトやグラフィックのデザイナーをしている久保倫太郎さんに、デザインの道に進むきっかけや、今後の展望などについてインタビューさせて頂きました!

プロダクトデザイナー-広島

トライ&エラーの繰り返しだった学生時代

茨城県出身の久保倫太郎さん。子供の頃から科学が好きで高校は理系へ進むも学校の授業に物足りなさを感じます。
そんな中、図画工作も得意だった久保さんは美術の楽しさに熱中し、高校3年生時から美術予備校へ通い美術大学のグラフィックコースへ入学します。

大学で学ぶ中で、ポスターなどの平面デザインの多くは、伝える情報の期日が過ぎると価値が無くなる切なさが自分に合わないと思い、自己表現できる現代美術を学んでいきます。

大学時代は好きなバイクをモチーフにして、草刈機を改造した「人間バイク」や「バイクと一体化する装置」などを制作。

プロダクトデザイナー-広島

「人間バイク」は出身地の茨城県は暴走族が多い地域でもあり、暴走という行為も現代美術も、自己表現をという共通点があると思ったそうです。
「バイクと一体化する装置」はバイクを一台購入し、たまご型に改造。デザインを排除した時に何が残るか?という問いに、真っ暗闇の中で、排気音や振動を体感できる作品です。

他にもバイクの止まり方にアプローチした「風の力で体をひっぱりながら止まる装置」など、「身体と機械の関係」をテーマにした作品が多いのも特徴ですね!

プロダクトデザイナー-広島

プロダクトデザイナー-広島

作品を作り続けていく中でハッキリしたことは、「物が作りたい!」と思ったとの事。
このとき大学4年生。自己表現をすることが苦しくなってきた時期でもあり、現代美術で自己表現するよりも、相手に求められる物を作るデザインが良いと思います。

デザイン担当の先生に相談すると「卒業を一年送らせてデザインの勉強をしても良い」とアドバイスをもらい、卒業延期を決断します。

「自分の生き方はトライ&エラーの繰り返し。時間とお金はかかったけど後悔は無い。」と久保さんは語ります。

大学時代の経験が活きた「プロダクトデザイナー」の仕事

茨城県出身の久保さんは、大学院の指導教官の紹介でGKデザイン総研広島へ入社します。

入社3年目の現在、手がけられているのは草刈機などの農業機器や検査機器で、安全面の基準やマーケティングなどの制約もあり修正が多いことが大変との事。

同時にグラフィックの仕事もあり、入社時には某路面電車の外観に施されているカラーリングやアクセントグラフィックなど幅広く担当されています。

「プロダクトデザイナーの半分はエンジニア」という言葉通り、図面を描くスキルや生産に関する事など、“形になるまでの知識が全て必要”だそうで、大学時代にデザイン、機械、電気など、様々な経験を得たことが今の仕事に活かされています。

会社内には“オールウェイズギャラリー”と呼ばれる現在進行中のプロジェクトを見れる場があり、先輩方の仕事に触れることで勉強になるそうです。

様々なプロジェクトを見ていると工業製品は2~3年でようやく製品になるそうです。その間にも様々なソフトウェアの登場で開発速度が早まっている傾向があるので、技術や知識の習得に追われる日々だそうです。

ペンから生まれる未来のカタチ

今回、愛用している道具も拝見させて頂きました!

主に使う道具はパイロットのボールペン「スーパーグリップ」と、色を塗る時に使う「コピック」です。

スーパーグリップは1.2ミリの太めを使用し、一回描いただけで線がハッキリ出る所が気に入っているそうで、発色が良いコピックはペン先を変えて長く愛用しています。
ペンの持つ位置をペン先から少し離すことで、安定した線が描くことができたりと、自分でいろいろと試行錯誤されたそうです。

紙は専用の紙もあるそうですが、手軽に描くことができるコピー用紙を使用しています。

アイディアスケッチの段階からPhotoshopなどのデジタルツールで描く人も多いそうですが、“自分の得意なツールでどこまで発想を広げられるか”がデザイナーとして腕の見せどころだと語ります。

▽一番左がボールペン「スーパーグリップ」。使い込みすぎてキャップがすぐ外れます。
プロダクトデザイナー-広島

プロダクトデザイナー-広島

「人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ」

最後に今後やりたい事などを聞かせて頂きました。

久保さんは「総合的に工業製品に携われる視野を持ちたい。」との事で、プロダクトデザイナーとしての力を身につけて、型にはまらずどんなデザインでも対応できる人になりたいそうです。

職人やプロフェッショナルの人を尊敬していることもあり、映画「耳をすませば」の主人公のお父さんが言う「自分の信じる通りやってごらん。でもな、人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにも出来ないからね。」というセリフが好きなのだそうです。

プライベートでは弓道もされていて、自分自身と向き合う時間も大切にしています。
弓道は道具のポテンシャルをいかに引き出すかが重要であり、身体と道具の関係を考える時間にもなっています。

弓道の「静」とバイクの「動」、現代美術とデザインなど、幅広い感性や経験から生まれるプロダクトに今後も期待ですね!

プロダクトデザイナー-広島

※撮影場所:Coworking space shake hands

~参照~
GK design
Coworking space shake hands

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